バタアシ日記

どこの誰だか知らない奴がさらけ出したがっています。さらけ出させてくだい。

ハガレンの完成度

f:id:bataashikun:20180719180358j:plain鋼の錬金術師は言わずもがな名作ですし、語り尽くされすぎていて自ら語るのも恐れ多いですが僕の中でも5本の指に入るほど好きな作品です。

もうなんでしょう。完璧なんですよ。

そもそもこの作品はオタク系漫画雑誌月刊少年ガンガンで連載されていたにも関わらず、アニメ化した頃には大注目の話題作になっていました。

当時この話題性から自分の耳にも届いていましたが、どうしてもガンガンの漫画ってゆうオタク臭さが受け入れられず読まず嫌いをしていました。クラスのオタク女子が読んでいてなんか勝手にBL臭い漫画だと思っていたんです。

今でこそオタク趣味なんてものは誰もが普通に話せますが、この頃は恥ずかしかったんです。萌系の絵なんて読んでたら迫害されるといった感じで。

ところがどっこいハガレンはそんなこと微塵も感じさせず、むちゃくちゃ面白かったんです。しかも読めば読むほど完成度の高さを感じられます。

錬金術の新しさ

この作品内の練金術はほぼ魔法みたいなものですが、錬成する時に出る錬成反応は四角い形。すなわちデジタル記号というイメージであり、質量は必ず等価交換。あくまで化学であるという設定が面白くも何でもありというわけではないところが実に新しい発想だと思いました。ドラゴンボールで言う「気」みたいに修行と気合いで強くなるわけではなく、能力バトルでもないんです。敵のホムンクルス達はややチートですが、キャラクターにはそれぞれ特技があってロジカルに戦っていくところが個人的には大好きです。 

キャラクターの魅力。

登場人物が余すところなくキャラが立っていて、敵味方関係なく長所がありキャラ同士の関係性が緻密に描かれています。普通商業誌でこれだけ魅力的な脇役がいると主人公がぼやけたり人気のキャラは無駄に活躍しちゃったりするのですが、主人公エルリック兄弟の視点でストーリーに絡むように登場して死ぬキャラの散り際も感動的な場面になっています。ジャンプだったらマスタング大佐の回想編とかで2〜3巻分費やすでしょうねw 例えば6巻でマスタング大佐が部下を集めてチームを結成していくところでそれぞれの長所をさくっと説明している流れは見事です。

舞台設定の作り込み。

1巻の序盤こそスチームパンクな世界観でしたが、アメストリス・イシュバール・シンの3国が欧米・中東・中国とステレオタイプな世界観と国柄なんかを読者にわかりやすくイメージさせますし、都会・砂漠・雪山などRPG的に舞台を切り替えるところもすごいです。しかもまさかの主人公の国が超独裁国家で闇深い国だったという設定にもミスリードがありました。

序盤からの読み方だと賢者の石を探す旅からなんか悪そうな敵ホムンクルスが登場し、こいつらを倒すストーリーかと思いますが、アメストリスの闇深さとが徐々に明かされていきエルリック兄弟とマスタング隊は世界を相手に戦うという流れから、いつのまにかただの冒険じゃなくなってくるんです。

ラストの風呂敷の畳み込みも秀逸でした。ラスボスを倒すことからちゃんと主題の錬金術と向き合って終わるというまさに完璧な終わり方をしました。人気主義な商業誌でここまで緻密に物語を作り上げた荒川弘先生ですが、この時新人だったってことがもう化け物だと思います。しかも女性ですよ。ガンガンから入って全然BL臭さを感じさせないところも好きです。パプワくんなんて見てごらんなさいよ。

 

そんなパーフェクトな漫画。ハガレン

実写化だけ要りませんでしたが何度も何度も読み返す大名作です。